結論からお伝えすると、被リンクの調べ方に「唯一の正解ツール」はありません。「何を知りたいか」によって、使うべきツールが変わります。
自社サイトの被リンク概況を把握したいだけなら、Google Search Consoleで十分です。
競合との差を数値で比較したい、スパムリンクを詳細に調査したい、という場合は専用ツールが必要になります。
この記事では、目的別のツール選択から具体的な操作手順、調査後の判断フローまで、実務で使える形で解説します。
被リンクの調べ方:まず「何を知りたいか」を決める
最初にツールを選ぶより、「何のために被リンクを調べるか」を明確にした方が効率的です。
| 目的 | 向いているツール |
|---|---|
| 自社の被リンク概況を把握したい | Google Search Console(無料) |
| 競合の被リンクを分析したい | Bing Webmaster Tools(無料)/ Ahrefs(有料) |
| 被リンクの増減推移を追いたい | Ahrefs / Semrush(有料) |
| スパムリンクを特定・否認したい | Google Search Console+Ahrefs |
「ツールを入れたけど何を見ればいいかわからない」という状況は、目的が曖昧なまま作業に入ることで起きます。まずこの表で自分の目的を確認してから、次のステップに進んでください。
Google Search Consoleで被リンクを確認する手順
自社への被リンクを把握する最初の手段は、Google Search Consoleです。無料で使え、Googleが実際に認識している被リンクを確認できます。
操作手順
- Google Search Consoleにログインする
- 左メニューの「リンク」をクリックする
- 「外部リンク」セクションを確認する

「外部リンク」には3つのレポートがあります。
| レポート名 | わかること |
|---|---|
| 上位のリンクされているページ | 被リンクを多く受けている自社ページのURL一覧 |
| 上位のリンク元サイト | どのドメインから最も多くリンクされているか |
| 上位のリンク元テキスト | どんなアンカーテキストでリンクされているか |
各レポートの「詳細」から、URL単位の一覧をCSVでダウンロードできます。定期的にダウンロードしておくと、被リンクの増減変化を把握しやすくなります。
Google Search ConsoleとAhrefsで数が違う理由
Google Search ConsoleとAhrefsで被リンク数が大きく異なることがあります。どちらかが「間違い」ではなく、データ収集方法の違いによるものです。
Google Search Consoleの特徴
- Googleがインデックスした被リンクのみ表示(全体の一部)
- 被リンクの推移グラフがない
- 競合サイトの被リンクは確認できない
Ahrefsの特徴
- 独自クローラーで収集した網羅的なデータ
- DR・参照ドメイン数・アンカーテキスト・follow/nofollow など詳細情報あり
- 被リンクの増減を時系列で追える
「Google Search Consoleで表示される被リンク数が少なすぎる」と感じたら、専用ツールを使う段階です。
無料ツールで被リンクを調べる方法
Google Search Console以外にも、無料で使える被リンクチェックツールがあります。
Bing Webmaster Tools(競合の被リンクを無料で調査できる)
Bing Webmaster Toolsは、Microsoftが提供する無料のサイト管理ツールです。被リンク機能では自社サイトだけでなく、競合サイトの被リンクも無料で確認できます。
Google Search Consoleは自サイトの被リンクしか見られませんが、Bing Webmaster Toolsにはこの制限がありません。有料ツールなしで競合の状況をざっくり把握したい場合の選択肢になります。
競合サイトの被リンクを確認する手順
- Bing Webmaster Toolsにログインする(Microsoftアカウントが必要)
- 「バックリンク」→「バックリンクの概要」を開く
- 「類似サイト」→「競合サイトを追加」で競合のURLを入力する
ただし、AhrefsやSemrushと比べてデータカバレッジは限定的です。「無料でまず競合の被リンク状況をざっくり把握したい」という場面に適しています。
Ahrefs無料版(DR・参照ドメインの確認)
Ahrefsには無料版があり、AhrefsのWebサイト上でURLを入力するだけで以下の情報を確認できます。
- DR(ドメインレーティング)
- 参照ドメイン数
- 被リンク数の概数
詳細なリンク一覧やアンカーテキスト分析は有料プランが必要ですが、「このサイトの大まかな被リンク規模を知りたい」という用途には無料版で対応できます。
hanasakigani.jp(日本語サイト向けの無料ツール)
hanasakigani.jpは、株式会社ディーボが提供する無料の被リンクチェックツールです。会員登録不要で即時確認できますが、1日3回の利用制限があります。
日本語サイトのリンク構造に強みがあり、国内サイト同士のリンク状況を手軽に把握したい場合に役立ちます。網羅性は有料ツールに劣りますが、手軽さが利点です。
有料ツールが必要になる場面とAhrefsの使い方
次のいずれかに当てはまるなら、有料ツールの導入を検討する段階です。
- 競合との被リンク差を数値で比較したい
- 被リンクの増減推移を継続的にモニタリングしたい
- アンカーテキスト分布を詳細に分析したい
- スパムリンクを一覧で精査・否認したい
代表ツールはAhrefs(有料プランあり)とSemrush(有料プランあり)です。最新の料金は各社公式サイトを確認ください。BtoB企業のSEO支援ではAhrefsを使うケースが多い印象です。
Ahrefsで競合の被リンクを分析する手順
- Ahrefsの「サイトエクスプローラー」に競合サイトのURLを入力する
- 左メニューの「バックリンク」をクリックする
- 「参照ドメイン」で被リンク元ドメインを一覧表示する
- DRフィルターで高権威ドメインからのリンクを絞り込む
- 「新規」タブで直近に獲得した被リンクを確認する
競合が被リンクを多く受けているページのテーマを把握することで、「自社で同テーマのコンテンツを作れるか」という施策立案に直結します。
被リンク調査で確認すべき5つの指標
ツールで被リンク一覧を取得した後、何を見ればよいかを整理します。
①参照ドメイン数(被リンク数より重要)
被リンク数(リンクの総本数)と参照ドメイン数(何サイトからリンクされているか)は、別の概念です。
同じサイトから100本のリンクより、異なる100サイトから1本ずつの方がSEO評価は高くなります。まず参照ドメイン数を競合と比較するところから始めてください。
②DR(ドメインレーティング)
DRはリンク元ドメインの権威性を示すAhrefs独自の指標です(0〜100)。DR60以上のサイトからのリンクは特に評価が高いとされていますが、DR値だけで判断するのは危険です。
自社と無関係のジャンルのサイトからのリンクは、DR値が高くても実質的なSEO効果が薄い傾向があります。
良質な被リンクの判断基準については、被リンクとは?SEOへの効果・確認方法・AI検索時代の活用まで実務解説の「良質な被リンクを判断する5つの観点」をあわせて参照ください。

③アンカーテキスト
リンクに使われている文字列を確認します。「会社名」「ブランド名」「関連キーワード」が自然に混在している状態が健全です。特定のキーワードに偏りすぎたアンカー分布は、不自然とGoogleに判断されるリスクがあります。
④follow/nofollowの比率
SEO評価が渡るのはfollowリンク(rel属性の指定がないリンク)のみです。
nofollowリンクは直接的なSEO評価こそ渡りませんが、トラフィック流入やブランド認知の観点では意味があります。比率の把握は参考程度で十分です。
⑤新規・消失リンクの増減
直近で獲得したリンク(新規)と失ったリンク(消失)の動きを確認します。
急激な新規リンクの増加はスパムリンク攻撃の可能性があります。良質なリンクの消失はリンク元サイトのリニューアルや記事削除が原因であることが多く、確認する価値があります。Ahrefsの「バックリンク増減レポート」で確認できます。
調査結果から次のアクションにつなげる判断フロー
被リンクを調べること自体は目的ではありません。調査結果を施策に落とし込むところに価値があります。
スパムリンクの見分け方と否認の判断基準
Google公式もリンク否認ツールの使用は「慎重に行うこと」を推奨しています。SpamBrainが多くの不自然なリンクを自動検出・無効化するため、軽微なスパムリンクは否認しなくても問題ないケースがほとんどです。
否認を検討するのは、次の条件が重なる場合に限定するのが実務的な判断です。
- DR5以下かつ自社と無関係のジャンルのサイトから大量リンクが届いている
- Google Search Consoleにスパム等の手動対策通知が届いている
- 原因不明の順位下落が起きており、被リンクプロフィールに異常がある
否認する場合は、まずAhrefsで「新規バックリンク」を確認し、不審なドメインのリストを作成してから否認ファイルをGoogle Search Consoleに提出する流れになります。
競合との被リンクギャップを埋める施策立案
競合の被リンク分析が終わったら、次の手順でコンテンツ施策に落とし込みます。
- 競合が被リンクを多く受けているページのテーマ・コンテンツ形式を記録する
- 調査データ・比較記事・ツール系コンテンツなど、自社にない形式を特定する
- 自社で同テーマのコンテンツを作成し、リンク元候補サイトへアウトリーチを行う
「なぜ競合は被リンクを獲得できているのか」の理由を把握することが、外部対策施策の起点です。具体的な被リンク獲得手法は「SEO外部対策とは?被リンク獲得の具体的な方法から注意点まで徹底解説」で解説しています。

AI検索時代の被リンク調査:AIOに引用されているサイトを分析する視点
被リンク調査は、AI検索対策(AIO)の文脈でも活用できます。
Google AI Overviewに引用されているページには共通点があります。被リンクで権威性が担保されていること、そしてコンテンツ構造が明快なことです。この2つが揃ったページが引用されやすい傾向があります。
AI Overviewに引用されているページの被リンクを分析する手順
- ターゲットキーワードでGoogle検索し、AI Overviewに引用されているURLを記録する
- AhrefsでそのURLの参照ドメイン数・DRを確認する
- 自社の同テーマページと被リンク面のギャップを把握する
「コンテンツの質は高いのにAI引用されない」という状況の原因が、被リンク不足にあるかどうかを診断できます。被リンク獲得とコンテンツ最適化を並行して進める判断の根拠にもなります。
被リンクとAI検索の関係については「被リンクとは?SEOへの効果・確認方法・AI検索時代の活用まで実務解説」で詳しく解説しています。

まとめ
この記事のポイントを整理します。
- 被リンクの調べ方はツールを選ぶ前に「目的」を明確にする。自社確認はGoogle Search Console、競合分析はBing Webmaster Tools(無料)またはAhrefs(有料)
- Google Search Consoleのデータは全被リンクの一部。推移分析・競合比較には専用ツールが必要
- 確認すべきは被リンク数よりも参照ドメイン数。異なるドメインからリンクされているかが重要
- スパムリンクの否認はSpamBrainの自動対処に任せるケースがほとんど。手動否認は悪質なリンクが大量にある場合に限定する
- 被リンク調査はAI検索への引用状況の分析にも活用できる。AI Overview引用ページの被リンクプロフィールと自社を比較し、ギャップを把握する
まずはGoogle Search Consoleの「リンク」レポートを開いて、自社への被リンク状況を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q. Google Search Consoleで被リンクがほとんど表示されない場合はどうすればいいですか?
自社サイトへの被リンクがまだ少ない状態です。ペナルティや設定ミスではなく、外部からの評価がまだ蓄積されていない段階と判断してください。良質なコンテンツの継続発信や、アウトリーチを通じた自然な被リンク獲得を進めることが先決です。
Q. 被リンクはどれくらいの頻度で確認すべきですか?
通常の企業サイトであれば月1回で十分です。積極的にSEO施策を進めている期間や大規模なコンテンツ公開直後は週1回が目安です。被リンクが急増している(スパムリンク攻撃の可能性)ような異常を感じた場合は、頻度にかかわらず速やかに確認してください。
Q. 無料ツールと有料ツールでデータが大きく違うのはなぜですか?
各ツールが持つクローラーの規模と更新頻度の違いによるものです。Ahrefsは業界最大規模のバックリンクデータベースを保有しており、データ更新頻度も高い水準に保たれています。無料ツールはデータカバレッジが限定的なため、同じサイトでも表示される被リンク数が大きく異なります。詳細な分析が必要な場面では有料ツールを前提にしてください。
Q. 競合サイトの被リンクを無料で調べる方法はありますか?
Bing Webmaster Toolsを使えば、競合サイトの被リンク概況を無料で確認できます。ただし、Ahrefsなどの有料ツールと比べてデータの網羅性は限定的です。「まず無料で把握してから、本格分析時に有料ツールを導入する」という流れが現実的です。
Q. スパムリンクが届いた場合、すぐに否認すべきですか?
すぐに否認する必要はありません。GoogleのSpamBrainが不自然なリンクの多くを自動検出・無効化しています。明らかに悪質なリンクが大量に届いており、Google Search Consoleに手動対策の通知が出ている場合に限り、Ahrefsでリストを作成してから否認ツールに提出する対処を検討してください。

