「AI検索で自社の情報がまったく表示されない」「SEOだけでは不十分なのか」——そんな課題を感じているWeb担当者が増えています。
結論からお伝えすると、AEO対策とはAI検索エンジンの回答ソースに自社コンテンツを選ばせるための最適化手法です。SEOを置き換えるものではなく、「SEOの土台を活かして上乗せする施策」だと考えてください。この記事では、AEO対策の定義からSEOとの違い、具体的な5つの施策、効果測定の方法までを実務者の視点で解説します。
AEO対策とは何か? ── 定義と「今やるべき理由」
AEO対策とは、ChatGPTやPerplexity、GoogleのAI OverviewsといったAI搭載の検索エンジン(回答エンジン)に、自社のコンテンツを「回答ソース」として選ばせるための最適化施策です。従来のSEOが検索結果の順位を上げることを目的とするのに対し、AEOはAIが生成する回答文の「引用元」になることを目指します。
AEO(Answer Engine Optimization)の定義
AEOは「Answer Engine Optimization(回答エンジン最適化)」の略称です。ユーザーがAIに質問を投げたとき、その回答の情報源として自社コンテンツが参照・引用される状態を作ることがゴールになります。対象となる主なAIサービスは以下のとおりです。
- Google AI Overviews(旧SGE)
- ChatGPT(Bing連携の検索機能含む)
- Perplexity
- Microsoft Copilot
- Gemini
これらのサービスはいずれもWebページをクロール・参照し、回答を生成しています。
つまり、AIに「読まれやすく、引用しやすい」コンテンツを作ることがAEO対策の本質です。
AEOが注目される背景 ── ゼロクリック検索とAI検索の急拡大
AEOが注目される最大の理由は、ユーザーの検索行動の変化にあります。GoogleのAI Overviewsが表示されることで、検索結果ページ上で回答が完結する「ゼロクリック検索」が増加しました。ChatGPTやPerplexityを検索エンジン代わりに使うユーザー層も拡大しています。
こうした環境では、検索結果の1位を取っていてもクリックされない可能性があります。一方で、AIの回答ソースとして引用されれば、ブランド名やURLが回答文中に表示されるため、新たな流入経路になり得ます。
「AEO制度」との違いに注意(税関用語との混同)
「AEO」で検索すると、税関の「AEO制度(Authorized Economic Operator)」に関する情報が上位に表示されることがあります。これはセキュリティ管理が優れた貿易事業者を認定する制度で、本記事で扱うAEO対策とはまったく別の概念です。検索する際は「AEO対策」「AEO SEO」などのキーワードで絞り込みましょう。
AEO対策とSEO対策は何が違うのか?
AEO対策とSEO対策は「別物」ではなく、共通部分が多い兄弟のような関係です。SEOの土台がなければAEOの成果も出にくいため、両立が前提になります。
SEOは検索順位、AEOはAIの回答ソースを狙う
両者の違いを整理すると、以下のようになります。
| 項目 | SEO対策 | AEO対策 |
|---|---|---|
| 目的 | 検索結果で上位表示する | AIの回答ソースに選ばれる |
| 対象 | Google検索などの検索エンジン | AI Overviews、ChatGPT、Perplexityなど |
| 成果指標 | 検索順位、CTR オーガニック流入数 | AI引用率、メンション頻度 引用元表示 |
| 主な対策手法 | キーワード最適化、被リンク獲得 技術SEO | 結論ファースト構成、FAQ 構造化データ、E-E-A-T強化 |
| 共通する施策 | 高品質コンテンツ、E-E-A-T、構造化データ、表示速度改善 | 左に同じ |
表を見るとわかるように、共通する施策がかなり多いのが特徴です。
AEOはSEOを置き換えるものではない──両立が必須な理由
「SEOは無駄になった」という声を耳にすることがありますが、これは誤解です。Ahrefsの研究データによると、強調スニペット(AEOの成果指標の一つ)はほぼ例外なくGoogle検索トップ10のページから引用されることがわかっています。SEOで上位表示を獲得しているページほど、AIにも引用されやすいのです。
また、米国のAI先進市場においても、AIツール経由のコンバージョンは全体の0.1%未満というデータがあります。現時点ではSEO経由の流入が圧倒的に大きく、AEOは「将来への投資」として並行で取り組むのが現実的な判断でしょう。
【独自視点】AIO・LLMO・GEO・AEOの関係を整理する
AEO以外にも「AIO」「LLMO」「GEO」といった類似用語があり、混乱しやすいポイントです。Technogramでは、これらを以下のように階層的に整理しています。
- AIO(AI Optimization):AI最適化の戦略全体を指す上位概念。ビジネス戦略・コンテンツ・技術を包括する
- AEO(Answer Engine Optimization):AIOの中でも「コンテンツの書き方・構造」に特化したレイヤー
- LLMO(Large Language Model Optimization):AIOの中でも「技術的な実装・データ最適化」に特化したレイヤー
- GEO(Generative Engine Optimization):AEOとほぼ同義。学術分野で使われることが多い用語
つまり、「AIOは戦略全体、AEOはコンテンツ対策、LLMOは技術対策」という関係です。詳しくは関連記事「AIOとLLMOの違いは?AI検索で上位表示するためのコンテンツ対策と技術実装」で解説しています。

AEO対策の具体的な5つの施策とは?
AEO対策として即実行できる施策は5つあります。いずれもSEOの施策と重なる部分が多く、SEOに取り組んでいるサイトであれば追加工数を抑えて導入可能です。優先度の高い順に解説します。
①質問形式の見出し + 結論ファーストの構成にする
AIはユーザーの「質問」に対して「回答」を生成します。そのため、見出し(H2・H3)を質問形式にし、直下で結論を述べる構成がもっとも効果的です。
具体的には、以下のパターンを心がけましょう。
- H2に「〇〇とは?」「〇〇の方法は?」などの質問を置く
- H2直下の最初の1〜2文で結論を端的に述べる
- その後に根拠・詳細・具体例を展開する
この構成により、AIが回答を生成する際にコンテンツの該当箇所を抽出しやすくなります。Technogramの実務でも、この構成パターンに変更した記事でAI引用率の向上を確認しています。

②FAQ(よくある質問)を作成し構造化マークアップする
FAQ形式のコンテンツは、AIが「質問→回答」のペアとして認識しやすい形式です。記事の最後にFAQセクションを設け、FAQPage構造化データ(JSON-LD)でマークアップすることで、AIへの情報伝達がさらに確実になります。
FAQを作成する際のポイントは、ユーザーがAI検索で実際に入力しそうな自然な言い回しで質問を書くことです。「AEO対策とSEO対策、どちらを先にやるべきですか?」のような口語調がAI検索との相性がよいでしょう。
③構造化データ(JSON-LD)を正しく実装する
構造化データとは、ページの内容を検索エンジンやAIに「機械が読める形式」で伝えるための仕組みです。JSON-LD形式で以下のスキーマを実装することを推奨します。
- Article:記事の著者・公開日・更新日を明示
- FAQPage:FAQ部分を質問と回答のペアで構造化
- Organization:サイト運営者情報を明示
- BreadcrumbList:パンくずリストでサイト構造を伝達
構造化データそのものは直接的なランキング要因ではありませんが、AIがコンテンツの信頼性や構造を理解する助けになります。WordPressの場合、記事末尾にカスタムHTMLブロックでJSON-LDを貼り付ける方法が手軽です。
④一次情報・独自データをコンテンツに盛り込む
AIは「他のサイトにも書いてある一般的な情報」よりも、「そのサイトにしかない独自の情報」を優先的に引用する傾向があります。自社の調査データ、クライアント事例(匿名可)、実務での検証結果など、一次情報を意識的に盛り込むことが重要です。
たとえば「AEO対策の効果が出た」と書くだけでなく、「施策Aを導入して3か月後にPerplexityでの引用が確認された」のように、具体性のある記述がAIの引用対象になりやすいと考えられます。
⑤E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を強化する
E-E-A-Tとは、Googleが品質評価で重視する4つの観点(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness)です。AIもコンテンツの信頼性を評価する際に同様の基準を用いていると考えられます。
E-E-A-T強化の具体策は以下のとおりです。
- 著者情報を明記し、著者の経歴・専門分野を示すプロフィールページを用意する
- 運営者情報(会社概要・所在地・連絡先)を整備する
- 記事に公開日・更新日を表示し、定期的に情報をアップデートする
- 外部の信頼性ある情報源(公式データ・研究論文等)を引用・リンクする
AEO対策の効果はどう測定するのか?
AEO対策の効果測定は、従来のSEO指標だけではカバーできません。ただし「測定が難しい」で終わらせるのではなく、現時点で使えるツールと手法を組み合わせれば、一定の可視化は可能です。
従来のSEO指標だけでは測れない ── AEO時代のKPI
AEO対策の効果を把握するために注目すべき指標は、以下の3つです。
- AI引用率:自社コンテンツがAIの回答ソースとして引用される頻度
- メンション頻度:AI回答文中に自社ブランド名やサービス名が登場する回数
- センチメント:AIが自社について言及する際のトーン(肯定的・中立・否定的)
これらはGoogle Search Consoleの検索順位やクリック率とは異なる指標であり、専用のツールや手動チェックが必要です。
無料で始められるツール:HubSpot AEO Grader
HubSpotが提供する「AEO Grader」は、無料でAEO対策の現状を把握できるツールです。ChatGPT、Perplexity、GeminiといったAIサービスで自社ブランドがどのように表示されるかをスコア化してくれます。
まだAEO対策の効果測定に着手していない場合は、このツールで自社の現在地を確認するところから始めるのがおすすめです。
Ahrefsの新機能「Brand Radar」でAI引用を追跡する
SEOツール大手のAhrefsは、2026年に「Brand Radar」というAI引用トラッキング機能をリリースしました。AIが自社サイトをどの程度引用しているかを継続的に追跡できる機能です。
Ahrefsを普段のSEO業務で利用しているチームであれば、追加コストなしでAEOの効果測定もワークフローに組み込めます。Technogramでも、Ahrefsを中心にした計測フローでクライアントのAEO効果を可視化しています。
手動チェックの方法 ── ChatGPT・Perplexity・AI Overviewsで確認
ツールを導入する前でも、手動で効果を確認することは可能です。手順はシンプルです。
- 自社のターゲットキーワードをChatGPT、Perplexity、Google(AI Overviews)にそれぞれ入力する
- AIの回答文中に自社サイトのURL、ブランド名、情報が含まれているかを確認する
- 定期的(月1〜2回)にチェックし、引用状況の変化を記録する
網羅性には限界がありますが、「自社がAI検索でどう見えているか」を体感するうえで有効な第一歩になります。
AEO対策でよくある誤解と注意点とは?
AEO対策に関しては、過度な期待や不正確な情報が広まっている面もあります。実務の現場でよく遭遇する3つの誤解を整理します。
「SEOは無駄になった」は間違い ── SEOの土台がAEOを支える
クライアントからの相談でもっとも多いのが「AI検索が主流になるとSEOは不要になるのか」という疑問です。結論として、SEOは不要になりません。
前述のとおり、AIが引用するコンテンツはGoogle検索で上位表示されているページが中心です。AIツール経由のコンバージョンが全体に占める割合もまだごくわずかであり、SEOからの流入が事業成果の大部分を支えている企業がほとんどでしょう。SEOの土台なくしてAEOの成果は出にくいと考えるべきです。
「AEO対策をすればすぐAIに引用される」わけではない
AEO対策を実施しても、すぐに効果が出るとは限りません。AIの回答ソースの選定ロジックは各サービスで異なり、更新タイミングもまちまちです。SEO以上に効果の出方にばらつきがあるため、中長期的な視点で取り組む必要があります。
とはいえ、構造化データの実装やFAQの追加といった技術的な施策は比較的早く反映されるケースもあります。まずは実装しやすい施策から着手し、効果を測定しながら改善するアプローチが現実的です。
SEOとAEOの優先順位 ── 共通施策が多いので同時並行が現実的
「SEOとAEOのどちらを先にやるべきか」という問いへの回答は、「同時並行」です。理由は明確で、両者に共通する施策が多いためです。
質の高いコンテンツを作り、構造化データを実装し、E-E-A-Tを強化する——これらはSEOにもAEOにも効きます。「AEOのために別のことをやる」のではなく、「SEO施策にAEO視点を上乗せする」という考え方が実務的でしょう。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
- AEO対策とは、AIの回答ソースに自社コンテンツを選ばせるための最適化手法。対象はAI Overviews、ChatGPT、Perplexity等
- AEOはSEOを置き換えるものではなく、SEOの土台があるからこそAEOが効く。両立・同時並行が前提
- 具体的な5つの施策(結論ファースト構成、FAQ+構造化マークアップ、JSON-LD実装、一次情報の活用、E-E-A-T強化)はSEOとの共通部分が多い
- 効果測定は「難しい」で終わらせない。HubSpot AEO GraderやAhrefs Brand Radarなど、具体的なツールで可視化できる
- 過度な期待は禁物。中長期的な視点で、実装しやすい施策から着手するのが現実的
まずはHubSpotのAEO Graderで自社の現状を把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。「SEO施策にAEO視点を上乗せする」という感覚で取り組めば、追加工数を抑えながらAI検索時代への備えができます。
Technogramでは、ナショナルクライアントのAI Overviews・ChatGPT・Perplexityへの掲載実績をもとに、AEO対策のコンサルティングを行っています。自社サイトのAEO対策についてご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q. AEO対策とSEO対策、どちらを先にやるべきですか?
共通する施策が多いため、同時並行が効率的です。SEOの土台(上位表示)があるサイトほどAIにも引用されやすい傾向があります。まずは既存のSEO施策にAEO視点を上乗せすることから始めるとよいでしょう。
Q. AEO対策の効果はどのくらいで出ますか?
サイトの状態やキーワードにより異なります。構造化データの実装やFAQ追加は比較的早く反映されることがありますが、AIの学習・更新タイミングに依存するため、SEO以上にばらつきがあります。中長期の視点で取り組むことをおすすめします。
Q. AEOとAIOの違いは何ですか?
AIOはAI最適化の戦略全体を指す上位概念です。AEOはその中でも「コンテンツの書き方・構造」に特化したレイヤーにあたります。技術実装を担う「LLMO」と合わせて、AIOの中に位置づけられます。
Q. 小規模なサイトでもAEO対策は有効ですか?
はい、有効です。独自の専門知識や一次情報を持つ中小企業は、AIが「他にない情報源」として評価しやすく、AEO対策との相性がよい場合があります。専門性の高いニッチ領域ほど、少ないコンテンツでもAI引用を獲得しやすい傾向にあります。
Q. AEO対策に使える無料ツールはありますか?
HubSpotのAEO Graderが無料で利用できます。ChatGPT、Perplexity、GeminiでのAI表示状況をスコア化してくれるため、まずはここから自社の現状把握を始めるのがおすすめです。

