「アンカーテキストって何?」と調べているWeb担当者の多くが、実は日常的にNG設定を繰り返しています。
結論からお伝えすると、アンカーテキストとはリンクに設定するテキストのことで、SEOとAI検索(AIO)の両方に直接影響するHTMLシグナルです。
この記事では、意味・種類・書き方の基本から、実務診断で頻出するNG例4パターンと改善の優先順位まで、まとめて解説します。
アンカーテキストとは何か?
アンカーテキストとは、ハイパーリンクに設定されたクリック可能なテキストのことです。
ユーザーには青色の下線テキストとして表示され、クローラーにはリンク先ページの内容を示すシグナルとして機能します。
HTMLでの記述方法(aタグとの関係)
HTMLでは<a>タグ(アンカータグ)を使ってリンクを記述します。アンカーテキストは、開始タグと終了タグの間に挟まれたテキストです。
<a href="リンク先URL">ここがアンカーテキスト</a>
WordPressのブロックエディタでは、テキストを選択してリンクアイコンをクリックするだけでこの構造が自動生成されます。ただし、どんなテキストを選ぶかはライターが決める必要があります。
ブラウザ上での見た目と役割
ブラウザ上では、アンカーテキストは一般的に「青色+下線」で表示されます。ユーザーにとっては「クリックするとどこへ飛ぶか」を示すナビゲーションラベルです。
クローラーにとっては、リンク先ページのトピックを推測するための重要な手がかりになります。
アンカーテキストはSEOにどう影響するか?
アンカーテキストは、クローラーがリンク先ページのトピックを判断するための主要なシグナルの一つです。適切に設定することで、内部リンク・外部リンクの両方においてSEO効果が高まります。
クローラーへのシグナルとしての役割
Googleのクローラーはリンクを辿ってサイトを巡回します。その際、アンカーテキストを読んでリンク先ページが何について書かれているかを推測します。
たとえば「アンカーテキスト 書き方」というテキストでリンクされているページは、アンカーテキストの書き方に関するページだとクローラーが判断します。
逆に「こちら」や「詳しくはこちら」というテキストでは、クローラーはリンク先の内容を判断できません。
ランキングへの直接・間接的な影響
アンカーテキストがSEOランキングに与える影響は2つあります。
- 直接的な影響:被リンクのアンカーテキストは、そのページの評価対象キーワードに関するシグナルになる
- 間接的な影響:内部リンクのアンカーテキストが整っていると、サイト全体のクローラビリティが向上し、重要ページへのリンクが適切に流れやすくなる
AIO・AI検索時代における新たな重要性
AI検索の観点でも、アンカーテキストの重要性は増しています。
Google AI OverviewやChatGPT検索などのAIは、ページ内のリンク構造を読んでコンテンツの文脈を理解しようとします。
「こちら」「詳細」ばかりのサイトは、AIがページ間の関係性や各ページのテーマを読み取りにくくなります。
Technogramの実務診断でも、アンカーテキストの見直しによってサイト内のクローラビリティが改善し、AI検索での参照頻度が高まった事例を確認しています。
アンカーテキストの種類
アンカーテキストにはいくつかの種類があり、SEO・AIOへの効果もそれぞれ異なります。
タイトルと完全一致型・部分一致型・コンテキスト型
| 種類 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 完全一致型 | 「アンカーテキスト とは」 | ターゲットキーワードそのまま。過剰使用はスパム判定のリスクあり |
| 部分一致型 | 「アンカーテキストの書き方を解説」 | キーワードを含みつつ自然な文章。実務では最も使いやすい |
| コンテキスト型 | 「リンク設計の基本はこちらの記事で解説しています」 | 文章の流れに自然に溶け込む。キーワードが薄い場合は効果も薄い |
| ブランド型 | 「Technogram」 | 社名やサービス名。ブランドシグナルとして機能 |
| 裸URL型 | 「https://www.technogram.co.jp/…」 | URLそのもの。アンカーテキストとしては最も弱い |
内部リンクと外部リンクでの使い分け
内部リンクでは部分一致型を基本的に使い、リンク先ページのメインキーワードを自然に含めることを意識してください。
外部リンク(他サイトからの被リンク)はコントロールできませんが、自社コンテンツ内から外部サイトへリンクする場合も同じ考え方が適用されます。
SEO・AIOに効くアンカーテキストの書き方
アンカーテキストを書く際の基本原則は「リンク先の内容をユーザーが予測できること」です。
リンク先のメインキーワードを含める
リンク先ページがターゲットとしているメインキーワードを、アンカーテキストに自然に含めます。
たとえば内部リンク設計の記事へリンクするなら「内部リンク設計の考え方」といったテキストが適切です。キーワードを詰め込む必要はなく、ページのテーマが伝わる程度で十分です。
ユーザーが内容を予測できる具体的なテキストにする
「クリックすれば何がわかるか」がテキストを読んだだけでわかる状態が理想です。
「詳しくはこちら」は情報量ゼロですが、「アンカーテキストのNG例4パターンを確認する」なら内容が明確に伝わります。
ユーザビリティとSEOは、この点において完全に一致しています。
適切な長さと文脈への溶け込ませ方
アンカーテキストの長さの目安は20〜30文字以内です。長くなる場合でも40文字以内に収めるのが基本です。
短すぎると情報が伝わらず、長すぎると文章が不自然になります。文章の流れを壊さず、前後の文脈に自然に溶け込む形で設定するのがポイントです。
アンカーテキストのNG例4パターン
Technogramの実務では、多くのサイトで同じパターンのミスが繰り返されています。以下の4パターンに心当たりがないか確認してください。
① 「こちら」「詳しくはこちら」だけのリンク
最も多いNGパターンです。ページ内に「こちら」リンクが10箇所以上あるサイトも珍しくありません。
- なぜNGか:クローラーとAIがリンク先の内容を把握できない。「こちら」という情報量ゼロのテキストはシグナルとして機能しない
- どう直すか:リンク先ページのタイトルやメインキーワードを含む具体的なテキストに置き換える
例)「詳しくはこちら」→「内部リンク設計の具体的な手順はこちらの記事で解説しています」
② 空のaタグ・h1ロゴリンクにテキストがないケース
サイトヘッダーのロゴをホームへのリンクにしている場合、画像のみでテキストがない状態になっているケースがあります。
また、CSSで背景画像として設定されたロゴは、HTMLにテキストが一切存在しない「空のaタグ」になってしまいます。
- なぜNGか:クローラーが「アクセシブルネームなし」と判断し、リンクの意味を読み取れない。アクセシビリティ違反にもなる
- どう直すか:
aria-label属性を追加するか、視覚的に非表示のテキストを<span class="sr-only">等で設定する
例)<a href="/" aria-label="Technogram トップページへ"><img src="logo.png" alt="Technogram"></a>
③ 画像リンクでalt属性が空のケース
画像全体がリンクになっている場合、その画像のalt属性がアンカーテキストの代わりになります。alt=""(空)のままだと、リンクに意味がない状態と同様です。
- なぜNGか:画像リンクの場合、altテキストがアンカーテキストとして機能する。altが空だとクローラーもAIもリンクの意味を読み取れない
- どう直すか:リンク先の内容を説明するaltテキストを設定する
例)バナー画像の場合、alt=""→alt="AIO対策サービスの詳細を見る"
④ 「続きを読む」「Read more」が全記事で同一のケース
WordPressのテーマによっては、記事一覧ページの各記事に「続きを読む」ボタンが自動生成されます。
全記事のリンクテキストが「続きを読む」に統一されている状態は、パターン①と同じ問題を引き起こします。
- なぜNGか:複数のページから同じアンカーテキストで異なるページへリンクされるため、クローラーが各リンク先の個別トピックを識別しにくくなる
- どう直すか:WordPressテーマの設定やfunctions.phpで、記事タイトルをアンカーテキストに含める形に変更する
具体的には、テーマの「続きを読む」テキストの設定箇所を探し、「(記事タイトル)の続きを読む」という形式に変更することを推奨します。
テーマによって設定場所は異なりますが、「外観」→「テーマエディター」または「カスタマイズ」から変更できる場合が多いです。
アンカーテキストの改善はいつ・どこから手をつけるべきか?
アンカーテキストの改善は、構造化データの整備やCore Web Vitalsの改善よりも先に取り組むべき基本施策です。
構造化データより先にアンカーテキストを整える理由
構造化データはGoogleへの「補足説明」ですが、アンカーテキストはHTMLの基本シグナルです。
家の基礎を整える前に内装工事をしても効果が出にくいのと同じで、基本的なHTMLシグナルが乱れたままでは構造化データの効果も薄れます。
アンカーテキストはHTMLを直接編集するだけで修正でき、実装コストが低い割に効果が出やすい施策です。
優先して直すべきページの見つけ方
まずはGoogle Search Consoleで「クリック数が多い、または表示回数が多いのに順位が伸び悩んでいるページ」を抽出します。
次に、そのページの内部リンクを確認し、「こちら」「詳細」などの情報量ゼロのアンカーテキストがないかチェックします。
アクセスの多いページから優先的に修正することで、効率よくSEO・AIOシグナルを改善できます。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
- アンカーテキストとは、リンクに設定するクリック可能なテキストのこと。クローラーとAIがリンク先の内容を判断するシグナルとして機能する
- 「こちら」「詳しくはこちら」などの情報量ゼロのテキストは、SEO・AIO両面で機会損失になる
- NG例は4パターン:「こちら」リンク・空のaタグ・alt空画像リンク・「続きを読む」
- 改善は構造化データより先に着手すべき基本施策。コストが低く効果が出やすい
- Google Search Consoleで伸び悩みページを特定し、内部リンクのアンカーテキストから優先的に修正するのが効率的
まずはサイト内の「こちら」リンクを洗い出すところから始めてみてはいかがでしょうか。基本的なHTMLシグナルを整えるだけで、SEO・AIOの両方に効果が出やすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. アンカーテキストに「こちら」を使うと検索順位が下がりますか?
即座にペナルティになるわけではありませんが、クローラーとAIがリンク先の内容を正確に把握できなくなるため、SEO・AIO両面で機会損失になります。リンク先ページのタイトルやメインキーワードを含む具体的なテキストに変えることを推奨します。
Q. 画像リンクの場合、アンカーテキストはどう設定しますか?
画像リンクでは画像のalt属性がアンカーテキストの代わりになります。altが空のままだと「アクセシブルネームなし」の状態となり、クローラーもAIもリンクの意味を読み取れません。リンク先の内容を説明するaltテキストを必ず設定してください。
Q. アンカーテキストはどのくらいの文字数が適切ですか?
目安は20〜30文字以内です。長くなる場合でも40文字以内に収めることを推奨します。短すぎると情報が伝わらず、長すぎると文章に馴染まなくなります。「リンク先ページのタイトルの一部+文脈に合う言葉」で構成するのが実務的によいバランスです。
Q. 外部リンクと内部リンクでアンカーテキストの最適化優先度は違いますか?
どちらも重要ですが、すぐにコントロールできる内部リンクを先に整えることを推奨します。外部リンクのアンカーテキストは被リンク元サイトに依存するため、自社で調整できません。まず内部リンクのアンカーテキストを整備し、サイト内のシグナルを一貫させることが先決です。



