PageSpeed Insightsを開いたら点数が赤かった。でも何をどこから直せばいいのかわからない、そう感じているWeb担当者は多いはずです。
結論からお伝えすると、ページの表示速度はSEOに影響します。
ただし「PageSpeed Insightsのスコアを100点にする」ことが目的ではなく、Googleが定めるCore Web Vitalsの3指標を「良好」の水準に保つことが実務上の正しい目標です。
この記事では、表示速度とSEOの関係・Core Web Vitalsの各指標の意味・優先度の高い改善施策をWeb担当者が実践できるレベルで解説します。
表示速度はSEOに影響するのか?
影響します。ただし誤解も多いので整理します。
Googleはページエクスペリエンスをランキングシグナルの一つとして公式に認定しています。その中核がCore Web Vitals(コアウェブバイタル)です。
ただし表示速度はあくまで「ページエクスペリエンス」の一部であり、コンテンツの質や被リンクほどの重みはないとGoogleも明言しています。
実務上の整理はこうなります。
- 表示速度が著しく遅いサイトは、コンテンツが良くても順位が押し下げられるリスクがある
- Core Web Vitalsが「良好」の水準を満たせば、それ以上スコアを追う必要はない
- 表示速度改善の恩恵はSEOよりもUX(ユーザー体験)やCVR(コンバージョン率)の方が大きい
ページ表示が遅いサイトではユーザーが離脱しやすく、その行動シグナルが間接的にSEOに影響することもあります。SEOへの直接効果を期待するより「ユーザーが快適に使えるサイトにする」ための施策として捉える方が実態に近いです。
Core Web Vitalsとは?3つの指標を理解する
Core Web Vitalsは、Googleが定めるページ体験評価の指標で、2021年にランキング要因として導入されました。2024年3月にはFID(First Input Delay)がINP(Interaction to Next Paint)に置き換わり、現在は以下の3指標で構成されています。
| 指標 | 測定対象 | 良好 | 改善が必要 | 不良 |
|---|---|---|---|---|
| LCP | 最大コンテンツの表示速度 | 2.5秒以下 | 2.5〜4.0秒 | 4.0秒超 |
| INP | 操作への応答速度 | 200ms以下 | 200〜500ms | 500ms超 |
| CLS | 視覚的な安定性 | 0.1以下 | 0.1〜0.25 | 0.25超 |
LCP(Largest Contentful Paint):最大コンテンツの表示速度
ページ内で最も大きな要素(メインビジュアルの画像や大きな見出しテキストなど)が表示されるまでの時間です。ユーザーが「ページが表示された」と実感するタイミングに最も近い指標で、目標は2.5秒以内です。
多くのページでLCP要素は画像です。アイキャッチや1枚目のヒーロー画像が重いと、それだけでLCPが悪化します。
INP(Interaction to Next Paint):操作への応答速度
ユーザーがボタンをクリックしたり、メニューをタップしたりしてから画面が変化するまでの時間です。2024年3月にFIDから置き換わった新指標で、ページ滞在中のすべての操作を評価対象とするため、より実態に近い指標になっています。目標は200ms以下です。
JavaScriptの処理が重いページや、サードパーティのスクリプトが多いページでINPが悪化しやすい傾向があります。
CLS(Cumulative Layout Shift):視覚的な安定性
ページ読み込み中にコンテンツが突然ずれる「レイアウトシフト」の大きさを測る指標です。広告バナーや画像が後から読み込まれて文字の位置がずれる——あれがCLSの悪化原因です。目標は0.1以下です。
Core Web Vitalsの計測方法
PageSpeed Insights(推奨・無料)
PageSpeed InsightsにURLを入力するだけで、モバイル・デスクトップそれぞれのスコアとCore Web Vitalsの状況を確認できます。
注意点が一つあります。PageSpeed Insightsの「パフォーマンススコア(100点満点)」はCore Web Vitalsとは別物です。
スコアが低くてもCore Web Vitalsが「良好」なら問題なく、逆にスコアが高くてもフィールドデータで不良になっているケースもあります。SEOへの影響はスコアではなくCore Web Vitalsの判定で判断してください。
Google Search Console(サイト全体の状況把握)
GSCの「ウェブに関する主な指標」レポートでは、実際のユーザーデータ(フィールドデータ)に基づいてサイト全体の問題URLを一覧で確認できます。
PageSpeed Insightsが1ページずつの診断であるのに対し、GSCはサイト全体で問題のあるURLをまとめて把握できます。改善の優先順位をつける際は、まずGSCで影響範囲を把握してから、PageSpeed Insightsで原因を詳細確認するという順番が効率的です。
GSCの基本的な使い方についてはGoogle Search Consoleとは?設定方法と基本の使い方をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。

優先度の高い改善施策
Web担当者が自力で対応できる施策から、開発者の協力が必要な施策まで、優先度順に整理します。
①画像の最適化(LCP改善・最優先)
LCP悪化の原因の大半は画像です。以下の対応から始めてください。
フォーマットの変換:JPEGやPNGをWebP形式に変換するだけで、ファイルサイズを30〜50%削減できます。WordPressではプラグイン(Smush・ShortPixelなど)を使えばコードを書かずに対応できます。
適切なサイズへのリサイズ:表示サイズより大きな画像をそのまま使っているケースが多くあります。実際の表示幅に合わせたサイズに変換するだけで大幅な改善が見込めます。
loading=”lazy”の設定:スクロールしないと見えない画像(ファーストビュー以下)にはloading="lazy"を設定することで、初期表示の読み込みを軽減できます。ただしアイキャッチ・1枚目のヒーロー画像など、ファーストビューに表示される画像にはlazyを設定しないこと。LCPが逆に悪化します。
fetchpriority=”high”の設定:LCP要素となるアイキャッチ画像にはfetchpriority="high"を設定することで、ブラウザが優先的に読み込むようになります。
②不要なJavaScript・CSSの削減(INP・LCP改善)
使っていないプラグインやスクリプトが読み込まれているケースは非常に多いです。
WordPressでは、インストールしたが使っていないプラグインを停止・削除するだけで改善することがあります。また、各ページで不要なプラグインのスクリプトを読み込まないよう設定することも有効です(Asset CleanUpなどのプラグインが対応)。
③サーバー・ホスティングの見直し(LCP改善)
共有レンタルサーバーのプランによっては、サーバー応答時間(TTFB:Time to First Byte)が遅くLCPに影響しているケースがあります。PageSpeed InsightsでTTFBの警告が出ている場合は、サーバーのアップグレードやCDN(Content Delivery Network)の導入を検討してください。
④画像・動的コンテンツのサイズ予約(CLS改善)
CLS改善で最も効果的なのは、画像やiframeにwidthとheight属性を明示することです。
<!-- NG:サイズ指定なし -->
<img src="image.jpg" alt="説明">
<!-- OK:サイズを明示 -->
<img src="image.jpg" alt="説明" width="800" height="600">
width・height属性の設定はCLS改善の基本です。HTML全体のSEO観点での最適化についてはHTMLのSEO対策とは?重要タグの使い方からAEO対策まで徹底解説もあわせてご参照ください。

サイズを指定しておくと、ブラウザが読み込み前にスペースを確保してくれるため、後から画像が表示されてもレイアウトがずれません。
広告バナーやEmbedコンテンツ(YouTube動画の埋め込みなど)も同様にサイズを確保しておくことが有効です。
⑤キャッシュの設定(LCP改善)
ブラウザキャッシュを適切に設定することで、2回目以降のアクセス時の読み込みを大幅に短縮できます。WordPressではW3 Total Cache・WP Super Cacheなどのキャッシュプラグインで対応できます。
SWELLテーマにはキャッシュ機能が内蔵されており、テーマの設定で有効化できます。
AEOの観点での表示速度
AEO(Answer Engine Optimization)の観点でも、表示速度は無視できません。
Google AI Overview・ChatGPT・Perplexityなどの生成AIは、コンテンツを引用する際に信頼性のあるソースを優先します。
表示速度が著しく遅いサイトはGooglebotのクロールが後回しにされるリスクがあり、クロールが遅れるとAI引用の機会も逃します。
また、ページ表示が遅いとユーザーの離脱が早くなり、コンテンツの滞在時間・エンゲージメント指標が悪化します。これは間接的にGoogleの評価にも影響します。表示速度の改善は、SEOとAEO両面のベースラインを整える施策として位置づけてください。
ページエクスペリエンス全体の詳細についてはページエクスペリエンスとは?4つのシグナルとCore Web Vitals改善で解説しています。

まとめ
この記事のポイントを整理します。
- 表示速度はSEOに影響するが、Core Web Vitalsの「良好」基準を満たせば十分。 PageSpeed InsightsのスコアをひたすらあげることがSEO対策ではない
- 3指標の意味を理解する。 LCP(表示速度2.5秒以内)・INP(操作応答200ms以下)・CLS(レイアウトずれ0.1以下)
- 計測はGSCで全体把握→PageSpeed Insightsで原因特定の順番で行う
- 優先度の高い施策は画像最適化。 WebP変換・適切なサイズへのリサイズ・fetchpriority設定から始める
- AEO観点でも表示速度は重要。 クロール効率とユーザーエンゲージメントに影響する
まずはPageSpeed Insightsで自社サイトのURLを計測し、Core Web Vitalsのどの指標が不良(赤)になっているかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q. PageSpeed InsightsのスコアをあげればSEOに効果がありますか?
PageSpeed Insightsのスコア(100点満点)自体はSEOのランキング要因ではありません。SEOに影響するのはCore Web Vitals(LCP・INP・CLS)の判定です。スコアは参考情報として捉え、Core Web Vitalsが「良好」かどうかを優先的に確認してください。
Q. 表示速度が遅いと検索順位が下がりますか?
著しく遅い場合は影響します。ただし表示速度はランキング要因の一つに過ぎず、コンテンツの質・E-E-A-T・被リンクなどの方が影響度は大きいとされています。Core Web Vitalsで「不良(赤)」の指標がある場合は改善を優先し、「良好(緑)」を維持していれば追加対応は不要です。
Q. WordPressで表示速度を改善する最初の一手は何ですか?
画像の最適化が最優先です。WebP形式への変換と適切なサイズへのリサイズから始めてください。SmushやShortPixelなどのプラグインを使えばコードを書かずに対応できます。次にキャッシュプラグインの導入、不要プラグインの削除が続きます。
Q. モバイルとデスクトップ、どちらのスコアを優先すべきですか?
モバイルを優先してください。Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイル版のページを評価の基準としています。PageSpeed InsightsでもモバイルのCore Web Vitalsを先に確認・改善することを推奨します。
Q. Core Web Vitalsが「良好」でも表示速度改善を続けるべきですか?
SEO目的だけで考えれば、良好の基準を維持できていれば追加改善は不要です。ただし表示速度はCVR(コンバージョン率)や直帰率にも影響するため、ビジネス目標によって判断してください。特にECサイトや広告LPは、速度改善が売上に直結することが多いです。

