結論からお伝えすると、品質スコアの上げ方は「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」という3つの要素をそれぞれ改善することに集約されます。
品質スコアは広告ランクやクリック単価に直結する指標のため、放置すると同じ掲載順位でも広告費が割高になります。
この記事では、品質スコアの仕組みから3要素ごとの具体的な改善方法、改善時に陥りやすい注意点まで、Google広告の実務を踏まえて解説します。
品質スコアとは?Google広告における位置づけ
品質スコアとは、自社の広告が他の広告主と比べてどれだけユーザーにとって有用かを示す診断指標です。
キーワード単位で1〜10の数値がつき、数値が高いほど広告とランディングページの質が競合より優れていると評価されていることになります。
リスティング広告とSEOの違いとは?7つの観点で比較し失敗しない選び方を解説でも触れているとおり、リスティング広告の掲載順位は入札単価だけでなく品質スコアを掛け合わせたオークションで決まります。
入札額を上げても品質スコアが低いままでは、上位表示は難しくなります。

品質スコアを決める3つの構成要素
品質スコアは、以下の3つの要素のステータスをもとに算出されます。管理画面ではそれぞれ「平均より上」「平均的」「平均より下」の3段階で表示されます。
| 構成要素 | 内容 |
|---|---|
| 推定クリック率 | 広告が表示された際にクリックされる可能性の高さ |
| 広告の関連性 | 広告の内容がキーワード(ユーザーの検索意図)とどれだけ一致しているか |
| ランディングページの利便性 | 遷移先ページがユーザーにとって関連性・有用性の高い内容かどうか |
3要素のうちどこが弱いのかを特定できると、広告文を直すべきか、キーワード構成を見直すべきか、ランディングページを改修すべきかの優先順位が見えてきます。
品質スコアの確認方法
品質スコアはキャンペーンの初期設定では表示されていません。
「キーワード」タブから「検索キーワード」を開き、表示項目の設定で「品質スコア」「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」を追加すると確認できます。詳しい仕組みは検索キャンペーンの品質スコアについてでGoogleが解説しています。
過去の履歴も表示項目に含めておくと、改善施策を打った後にスコアがどう変化したかを追いやすくなります。
なぜ品質スコアを上げる必要があるのか?広告ランクとクリック単価への影響
品質スコアを上げる最大のメリットは、同じ掲載順位をより安いクリック単価で確保できる点にあります。
検索広告の掲載順位は「広告ランク」で決まり、広告ランクは入札単価と品質スコアの掛け合わせに広告表示アセットなどの要素を加えて算出されます。
実際に支払うクリック単価は、自社より1つ下の順位の広告ランクを自社の品質スコアで割った金額がベースになるため、品質スコアが高いほど少ない入札額で同じ順位を維持しやすくなります。
たとえば入札単価が同じ150円でも、品質スコアが4のアカウントと8のアカウントでは、実際に支払うクリック単価に大きな差が出るケースがあります。
品質スコアが低いキーワードほど、上位表示のために余分な広告費を払っている可能性があるということです。
自動入札を使っている場合でも品質スコアの重要性は変わりません。
スマート自動入札はコンバージョンデータをもとに入札額を自動調整しますが、品質スコアが低いキーワードは同じ成果を得るためのクリック単価が上がりやすく、結果的に予算効率に影響します。
自動入札のロジックについてはスマート自動入札のシグナルとは?種類と実務での活かし方を広告運用者が解説で詳しく解説しています。

品質スコアを上げる方法は?3要素ごとに具体策を解説
ここからは、推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性の3要素ごとに、実務で取り組みやすい改善方法を紹介します。
推定クリック率(CTR)を改善する方法
推定クリック率のステータスが「平均より下」の場合は、広告文がユーザーの検索意図とずれている可能性があります。
キーワードで検索したユーザーが期待する情報を、広告の見出しや説明文に直接的な言葉で盛り込むことが基本です。
「購入」「今すぐ申し込む」「無料で試す」のような行動を促すフレーズや、送料無料・即日対応といった自社の強みを具体的に書くと、クリック率は改善しやすくなります。
広告表示オプション(アセット)を十分に設定しておくことも、広告の視認性を高めるうえで欠かせません。
なお、訴求を具体的にしすぎるとクリック率は下がる一方でコンバージョン率が上がるケースもあります。
クリック率だけを追いかけるのではなく、コンバージョンまで見据えたバランスで訴求を調整してください。
広告の関連性を高める方法
広告の関連性が低い場合、多くは1つの広告グループに関連性の異なるキーワードを詰め込みすぎていることが原因です。
キーワードをテーマ別に分割し、それぞれに専用の広告文を用意すると、ユーザーの検索語句と広告内容の一致度が上がります。
たとえば「スニーカー」を扱うアカウントであれば、「ランニングシューズ」「スニーカー レディース」のようにテーマごとに広告グループを分け、広告文もテーマに合わせて個別に作成します。
広告グループを分割しても、同じ広告とキーワードのまま別のキャンペーンやアカウントに移動させるだけでは品質スコアは改善しません。テーマに合わせて広告文そのものを作り直すことが前提になります。
ランディングページの利便性を改善する方法
ランディングページの利便性は、広告をクリックしたユーザーが実際に閲覧するページの内容と使い勝手で評価されます。改善のポイントは大きく3つです。
1つ目は、検索キーワードとページ内容の一致です。広告で訴求した商品やサービスと異なる内容のページに遷移させると、直帰率が上がりランディングページの利便性が下がります。
2つ目は表示速度で、ページの読み込みが遅いとユーザーは離脱しやすくなります。3つ目はモバイル対応で、モバイルフレンドリーテストを使ってスマートフォンでの表示崩れがないかを確認しておくと安心です。
ランディングページのステータスに直接反映されるわけではありませんが、コンバージョン率もページの利便性を測る目安として活用できます。広告とランディングページで訴求メッセージに一貫性を持たせることも忘れないようにしてください。
品質スコアを改善するときに気をつけたい2つの注意点
品質スコアの改善は効果の大きい施策ですが、進め方を誤ると本来の目的からずれてしまうことがあります。
すべてのキーワードでスコア10を目指す必要はない
配信しているキーワードが多いアカウントほど、すべてのキーワードで品質スコア10を達成するのは現実的ではありません。
コンバージョン数やコンバージョン率が高いにもかかわらず品質スコアが低いキーワードから優先的に手を入れる方が、限られた工数で成果につながりやすくなります。
コンバージョンの実数をもとに優先順位を判断する場合は、GA4のコンバージョンをGoogle広告にインポートする方法を参考に、数値の精度を確認したうえで判断してください。GA4側とGoogle広告側でコンバージョン数にズレがあると、改善すべきキーワードの優先順位を見誤ることがあります。

品質スコアを上げること自体を目的化しない
品質スコアはあくまで広告の改善点を見つけるための診断ツールであり、スコアを上げること自体がゴールではありません。クリック率を優先するあまり訴求内容が薄くなり、コンバージョン率が下がってしまっては本末転倒です。
改善策を実行しても、必ずしも品質スコアが上がるとは限りません。1つの施策で反応が薄い場合は時間をかけすぎず、除外キーワードの見直しや配信除外の判断など、他の改善施策に工数を振り分ける方が全体の成果につながることもあります。
まとめ
品質スコアの上げ方を整理すると、次のようになります。
- 品質スコアは推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性の3要素で構成される
- 品質スコアが高いほど、同じ掲載順位を低いクリック単価で維持しやすくなる
- CTR改善には広告文の見直しとアセット設定、関連性改善には広告グループの細分化、LP改善には表示速度とメッセージの一貫性がそれぞれ効果的
- すべてのキーワードで満点を目指すのではなく、コンバージョンへの影響が大きいキーワードから優先的に着手する
- 品質スコアの改善を目的化せず、あくまで広告全体の成果を高めるための診断指標として活用する
まずは自社アカウントで品質スコアの表示項目を追加し、3要素のうちどこが弱いのかを確認するところから始めてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 品質スコアは何段階で評価されますか?
品質スコアはキーワード単位で1〜10の数値で表示され、数値が高いほど広告とランディングページの質が競合より高いと評価されています。
Q. 品質スコアが低いとどうなりますか?
同じ掲載順位を得るために必要な入札単価が上がり、結果としてクリック単価が割高になります。極端に低い場合は、入札額を上げても上位表示自体が難しくなることもあります。
Q. スマート自動入札を使っていても品質スコアは重要ですか?
重要です。自動入札はコンバージョンデータをもとに入札を最適化しますが、品質スコアが低いキーワードは同じ成果を得るためのクリック単価が上がりやすく、予算効率に影響します。
Q. 品質スコアはどのくらいの頻度で確認すればいいですか?
配信状況にもよりますが、月次のレポーティングに合わせて確認し、改善施策を実施した際は数週間後にスコアの変化を追うのが目安です。急激な変動があった場合は、広告文やランディングページの変更内容を振り返ってください。

